葉酸サプリは、お腹の赤ちゃんとお母さんの両方を支えてくれるサプリです。でも、葉酸サプリだけ飲んでいれば良いというわけでは、決してありません。
葉酸以外にも、お腹の赤ちゃんやお母さんに必要となる栄養素は、多くあります。そのため、毎日バランスの良い食事をしっかりととって、栄養補給をしてくださいね。
とはいえ、
「食事だけで十分に摂取できているかどうか、心配…」
というお母さんもいますよね。また、つわりなどでそもそも食事自体が難しいこともあります。そのような場合は、葉酸と同じようにサプリで摂取しましょう。
ただし中には、葉酸サプリとの併用に注意が必要なサプリもあります。ここでは、そのサプリや栄養素をご紹介します。安全に併用するために、ぜひ覚えておきましょう。
併用では過剰摂取に注意
まず最初にお話ししておきたいことが、葉酸自体に副作用はないということです。他の特定の栄養素と一緒に摂取した時に、副作用が出てくるということもありません。
とても安全な栄養素なのです。ただ、過剰摂取だけはいけません。摂取しすぎると、頭痛や腹痛などのトラブルが起こりやすくなります。
葉酸の摂取量の上限は、1日に1000μgとされています。1日だけなら問題はありませんが、連日で1000μg以上の摂取を続けていると、トラブルが起こる可能性は高くなります。
もちろん葉酸サプリは、安全な量を摂取できるように作られています。メーカーにもよりますが、1粒あたり100μg前後とされていることが多いです。
そのため1日に3粒など、決められた量を守って飲んでいれば、まず問題はありません。ただし他のサプリを併用する時は、気をつけてください。
そのサプリに葉酸が含まれていた場合、トータルでの摂取量が1000μgをオーバーする可能性があるのです。そのため併用する前には、そのサプリに葉酸が含まれていないかチェックしてください。
含まれている場合は、その量を調べましょう。そして葉酸サプリの葉酸含有量と合計した時に、1000μgを超えないかどうかを確認するのです。超えた場合は、そのサプリは併用しない方が良いと言えます。
摂取量の上限がある栄養素
葉酸以外にも、1日の摂取量の上限が定められている栄養素があります。
- 鉄分
- ビタミンA
- ビタミンD
これらは、葉酸サプリに配合されていることの多い栄養素です。そのため併用する時は、やはり含有量の合計を調べてくださいね。上限をオーバーしないように気をつけて、併用しましょう。
鉄分は1日40mgまで
それぞれの栄養素について、詳しくご説明しますね。まず鉄分ですが、これは本来は、葉酸とぜひ一緒に摂取したい栄養素です。
葉酸は血液を作る働きをしますが、鉄分は血液の材料となります。そのため一緒に摂取することで、良質な血液が、より多く作られるようになりますよ。
ところが、葉酸と同じく過剰摂取はいけません。使われなかった鉄分が体内に蓄積され、胃腸障害を引き起こすことがあるからです。
1日の摂取量の上限は、40mgです。葉酸サプリと鉄分サプリとを併用する場合は、それぞれの鉄分含有量の合計が40mgを超えないように気をつけましょう。
ビタミンAは1日2700μgRAEまで
ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にする栄養素です。十分に摂取していなければ、皮膚や粘膜が衰えやすくなるということです。推奨されている摂取量は、1日に650~780μgRAEです。これを目安に、不足しないよう摂取してくださいね。
食事からでは不足しがちな時は、サプリで補いましょう。ただし、過剰摂取には十分に気をつけてください。特に妊娠初期に過剰摂取をすると、お腹の赤ちゃんの体に問題が起こりやすくなります。
具体的には、水頭症や口唇口蓋裂となるリスクが高くなるのです。ビタミンAの1日の摂取量の上限は、2700μgRAEです。
ビタミンAを配合した葉酸サプリを飲んでいて、さらに別のサプリでビタミンAを補う場合は、トータルの摂取量に十分注意してください。
ビタミンDは1日100μgまで
ビタミンDは、体へのカルシウムの吸収を助ける栄養素です。これをしっかりと摂取していれば、母体のカルシウム不足は防がれやすくなります。
母体のカルシウムは、赤ちゃんの成長に優先的に使われるので、母体はカルシウム不足になりがちです。
不足が続くと骨がもろくなり、骨粗鬆症となるリスクが高まります。それを防ぐためには、ビタミンDを積極的に摂取してくださいね。
ビタミンDは、葉酸サプリにも配合されていることが多いですよ。不足しがちな場合は、別のサプリを併用することもできますが、この場合はやはり、過剰摂取には気をつけましょう。
ビタミンDの1日の摂取量の上限は、100μgです。過剰摂取すると、体内に余分なカルシウムが溜まって石灰化したり、高カルシウム血症となったりする可能性があります。
併用する場合は、トータルの摂取量が100μg以下になるよう心がけてくださいね。そもそも、無理に併用する必要はありません。
もともとビタミンDの推奨摂取量は少なめで、1日わずか7μgです。この量は、サンマやイワシなどの青魚を50gほど食べればクリアできます。
そのため併用は、つわりなどでどうしても食事をとることができない場合のみにしておきましょうね。
葉酸サプリとの併用についてのまとめ
妊娠中に不足しがちな栄養素は、サプリで補いましょう。ただし葉酸サプリと併用する場合、過剰摂取に気をつけることが大事です。
- 葉酸…1日に1000μg
- 鉄分…1日に40mgまで
- ビタミンA…1日に2700μgRAEまで
- ビタミンD…1日に100μgまで
それぞれ、これを目安として摂取してください。過剰摂取は、母体の健康不良を招く可能性があります。またビタミンAの場合、過剰摂取が赤ちゃんの先天異常の原因となることもあるのです。
そのため葉酸サプリと併用する時には、該当する栄養素のトータルでの摂取量を計算しましょう。そして、過剰摂取にならないように気をつけて併用するのです。
母子健康な状態で出産を迎えるために、安全に併用してくださいね。